ドラクエ2……その2
実は私「ドラクエ1」の時には全然ノーマークだったんですよ。確かにファミコン初のRPGってことで話題にはなっていたものの、私は当時パソコンを持ってて、そっちで「ウィザードリィ」「ウルティマ」「ザナドゥ」といった、より本格的なRPGをやってたもんで「ファ~ミコンのRPGなんてどうせお子さまむけでしょ!? そんなのバカバカしくてやってらんないよ!」というちょっとイヤな子供的スタンスだったんです。しかし、いざ友達に借りてやってみたら……これがまた面白いんだ。とたんに掌をかえしてドラクエ派となり、一気に「1」を攻略。そして早くも噂に上っていた「ドラクエ2」に胸をときめかせ、ファミコン誌に断片的に載せられた「3人パーティー」「マップが『1』の4倍」「船で海も移動出来る」等々の魅力的な情報を読んでは、未だ見ぬ「ドラクエ2」に思いをはせ、発売を心待ちにする日々が始まったのです。
そして1987年1月26日、遂にドラクエ2が発売!
この日のためにクリスマスと誕生日のプレゼントを我慢していた私はお金を握り締め速攻オモチャ屋へ、なんとか「ドラクエ2」をゲットし、バカ小学生のお約束通り、朝晩問わずそりゃもう夢中でやりまくったもんです。
そんなある日、なんかの連休だったか、家族で千葉に住んでる従兄弟の家に遊びに行く事になりました。その従兄弟とは非常に仲良かったんで、遊びには行きたい、でもドラクエ2をその間中断するのは耐えられない! つーことで千葉までドラクエのカートリッジを持参し従兄弟の家でやらせてもらうことにしたのです。
案の定、従兄弟の家では朝から晩までドラクエやりまくり。おじさん、おばさんには「お前は何しに来たんだよ」という感じのイヤな顔をされていたものの「早くハーゴンを倒して世界の平和を取り戻さねば!」という使命に燃える私はぜ~んぜん気にすることはありませんでした、そんなこんなで結局連休の3日間はドラクエ三昧で過ぎていったんですが、従兄弟と知恵を出し合ったこともあり、ゲームバランスの悪いドラクエ2の中でも最高級に難しいロンダルキアへの洞窟を突破と素晴らしい成果を上げていたので、私的には大満足の連休でした。従兄弟の家から自宅に帰る道すがらも「ハーゴンのいる城まであと一歩! はやく世界を救いたい!」ということで、早くドラクエの続きをやりたくてウズウズしていました。
当然家に帰ると即ファミコンの前にゴウ! そしてカートリッジをインサート、電源オン! 従兄弟の家でメモしてきた復活の呪文を入力! さあハーゴンと対決だ! しかし……。
「ふっかつのじゅもんがちがいます」
……あれ、入れ間違えちゃったかな? ああ、ここの「は」と「ほ」を間違えてたんだな、危ない危ない。……ということで復活の呪文を修正し、気を取り直してレッツプレイ!
「ふっかつのじゅもんがちがいます」
…………何度メモを見直しても、「め」と「ぬ」、「わ」と「ね」等の見間違えやすいと思われる文字を入れ替えてみたりしても、やはり
「ふっかつのじゅもんがちがいます」
……やっちまいました。
ドラクエ2をやった事がある人なら一度は通るこの「復活の呪文記録し損ない」を本当に最悪のタイミングでやってしまったのです。さらに最悪な事に、従兄弟の家で最後にメモした復活の呪文だけを持って帰ってたので、その途中段階で何度かメモした分の復活の呪文は従兄弟の家に置いてきちゃったんですよ。
この復活の呪文がダメになってるとなると、従兄弟の家でやった3日分の苦労が丸々パー……。
せめて、せめて途中の段階の復活の呪文さえあれば被害を最小限にできるのに……!!! ということで、もう必死の私は、すごいイキオイで従兄弟の家に電話しました
「あ、おばさん! ふ、復活の呪文ない?」
「は? 何それ?」
「あのさ~、ドラクエの~、パスワードみたいなやつで~。なんか変なひらがながいっぱい書いてあるやつ。たしかジャスコの広告の裏に書いてあったと思うんだけど」
「あ~~、そんなのもう捨てちゃったわよ」
「マッジェ~~!? でも今日の事なんだからまだゴミ袋かゴミ箱の中に残ってるでしょ~! 探してよー」
「何でそんなことしなくちゃいけないのよ」
「す・ご・い・大・事・な・も・の・なの~!」
嫌がるおばさんを説き伏せ、ゴミ漁りをしてもらい、なんとかゴミの中からの救出には成功したのですが、まだファックスやメールなんつー便利な物がない時代。その復活の呪文を送ってもらう方法がありません。もちろん郵送するっていう手はあるものの、それではどう頑張っても2、3日はかかってしまいます。もはや心はハーゴンとの対決ムードで満々の私が、その3日間を我慢出来るはずはありません。
「……おばさん。それ、今読み上げて」
「これを!? 全然意味わからないわよ」
「意味はわかんなくてもいいの! こっちでメモするからとにかく読んでよ」
「そ、そうなの? ……じゃあ行くわよ。も、へ、み、と、ろ、は……」
しかし、ただでさえ全く意味のない文字列が羅列されている上に、バカ小学生特有のきったね~字でメモられているため、解読は超困難を極め、何度おばさんに読んでもらっても
「ふっかつのじゅもんがちがいます」
その度に「どこか読み間違えてると思うんだけど……もう一回読んで」「もう一回読んで」と……。はたしてどれくらい繰り返したでしょうか。今考えて見れば、意味不明の呪文を何度も何度も読まされて、おばさんも若干キレ気味だったのかもしれません。
「ヂンくん、おばさんもう夕飯の支度があるから……」
と、やんわりこの不毛な作業を終了させようとするおばさん。
「おばさんが絶対どこか読み間違えてるんから、もう一度ちゃんとメモを見て読んでよ!」
「でも、ホントにもう夕食の支度しないと……、明日ちゃんと郵便で送ってあげるから、ね」
「……っざけんなよ~~! あと一回読んでくれればちゃんと出来るんだよ~~~、おばさんがちゃんと読まないのが悪いんだろ~~~!! こっちは世界の平和がかかってるんだよ!(意味不明)」
混乱気味な脳みそでフィーバーしてしまった私……。……そしておばさんは「ふざけんな。お前大人なめてたらいつか痛い目にあうぞ」的な捨て台詞を残し電話を切ってしまいました。私は復活の呪文が結局ダメだった怒りと、おばさんに怒られた悲しみと……そしてその他様々な、いろ~んな感情が入り乱れた結果
「夕ご飯は食べない! 千葉のおばちゃんが悪いんだよ!」
という全くもって意味のわからない、子供なりのストライキ(?)を繰り広げ、家の中で唯一鍵のかかる場所「便所」の中に閉じこもって、地味~~に感情爆発させてました。……でもね。な~んか段々お腹が減って、気持ち的に冷静になっていくにつれ、おばさんへの怒りはおさまり、その代わりとして先程の電話での自分の、いくら子供だとしれも余りにもアレな内弁慶発言の数々が突然モーレツに恥ずかしくなってきて、どんどんブルーーーーな気持ちに……。
数日後、おばさんから郵送で復活の呪文が送られてきたのですが、あれほど燃えさかっていたドラクエ2への情熱は消え去り、な~~んかやる気がしませんでした。あれ以来、盆暮れ正月等の親戚が集まるイベントには顔をだしてません。








コメント (1)
ナイスでーっス
いいっすねー
ちょうどドラクエ2やってて読んでて思わずにやりでした。
今必死こいて紋章集めてます
ボロヤの方も素敵ですね
地下室やばそー
しかし
おもしろそうですね
頑張って破壊&ハヤブサ作りますです
失礼しました
投稿者: JUN B BANTON | 2007年02月10日 06:57
日時: 2007年02月10日 06:57